事実上の酸化防止剤無添加を実践する
モレを代表する伝統的大ドメーヌ
ポンソ
モレ・サン・ドニにおける新興の大ドメーヌがデュジャックなら、伝統的大ドメーヌはポンソであろう。その歴史はデュジャックより100年も遡る。
2017年、モレ・サン・ドニ村長も務めたジャン・マリー・ポンソの息子ローラン・ポンソがドメーヌを去り、現在、ローランの妹ローズ・マリーが5代目の当主を務める。
ローズ・マリーは、1997年からドメーヌ参画している。醸造に関しては支配人代理も務めるアレクサンドル・アベルが醸造責任者を務める。ローラン・ポンソと同じ哲学をもち、スタイルに変化はない。
ポンソではブドウ栽培もワイン醸造も人の介入を可能な限り排除。ビオロジックともビオディナミとも異なるアプローチの自然栽培をとる。
剪定をコルドン・ロワイヤにすることで樹勢を抑え、低収量を実現。腐敗果が収穫箱の中に混ざるだけで健全果に影響を与えるとして、選果は必ずブドウ畑で行う。
手摘みは当然だが、摘んだ房はまず昔ながらの篭に入れ、それを最大17キロ入りの箱に移した後に醸造所へと運ぶ。 醸造所は4層構造のグラヴィティ・フローでポンプは一切使わない。
ブドウの状態はヴィンテージによって異なるため、その年々に応じた対応をとる。梗を残すか残さないか、ピジャージュの頻度はどうするか、そうしたことに一切決まりはない。
一方、発酵容器に使い古した木桶を使用し、熟成用の小樽も古樽(5〜20年もの)、酸化防止剤である亜硫酸の使用は極力抑えるという原則は毎年一貫している。
亜硫酸はまだ発酵の始まらない破砕前に小量加えるものの、その後は窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガスでワインを保護する。
瓶詰め時にさえ亜硫酸の添加はない。
クロ・ド・ラ・ロッシュ、クロ・サン・ドニ、モレ・サン・ドニ1級クロ・デ・モン・リュイザン・ブラン。これらモレの珠玉のクリマがポンソを代表するワインだが、ここ10年の間にラインナップが大幅に増えた。
シャルム・シャンベルタン, クロ・ド・ヴージョ、コルトン・シャルルマーニュ、コルトン・ブレッサンド、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ……。じつに豪華絢爛である。
かつてシャルドネやピノ・ブランも混ぜられていたクロ・デ・モン・リュイザン・ブランは、今日、1911年に植樹されたアリゴテの古木100%から造られている。 とかくシャルドネよりも劣ると見られがちなアリゴテだが、収量を抑えればこれほど見事なワインになるのかというよいお手本だ。
ポンソのワインは非常に個性的で、若いうちはとくに理解しづらい印象を受ける。しかしながら、理想の状態で熟成させたワインは、驚くべき色香を放ち、その状態は20年も30年も保たれる。まさに投資に値するワインといえるだろう
特級畑クロ・ド・ラ・ロッシュの最大の生産者であり、モレ・サン・ドニの老舗名門ドメーヌであるポンソ。生産するキュヴェの半数がグラン・クリュという、豪華なラインナップを揃えた造り手です。こちらは彼らの拠点となるモレ・サン・ドニ村の中でも、一級畑モン・リュイザンの斜面上方に位置する畑のブドウを使用した村名キュヴェ。高い酸味と、ポンソらしいピュアな果実味をお愉しみいただけます。
外観は輝きのあるルビー。グラスからは、チェリーやカシスなどの果実のアロマに、ダークチョコレートやバラなどのニュアンスが立ち上ります。微かに感じるスパイシーな味わいがアクセントとなった、厚みのあるスタイル。ジューシーな果実味と滑らかなタンニンが口内に広がり、綺麗な酸が全体を引き締めます。ボリューム感が心地よく、パワフルさと上品さを兼ね備えた1本です。
商品使用・スペック
生産者 | ポンソ | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
原産国 | フランス | ヴィンテージ | 2016 |
生産地方 | ブルゴーニュ地方 | 容量 | 750ml |
生産地域 | モレ・サン・ドニ | 色 | 赤 |
格付名 | ヴィラージュ | タイプ | ミディアム |